将棋連盟サイトから名人戦(順位戦)・王将戦へのリンクが消えた

2011/01/07読み物

twitterで将棋関連つぶやきを眺めていたら 「将棋連盟サイトから毎日新聞主催の名人戦(順位戦)・王将戦へのリンクが消えた」件が話題になっていた。たしかに左イメージのように、棋戦情報一覧からリンクが消えている。右はGoogleのキャッシュ(2010年12月16日 11:53:18 GMT)。赤枠で囲まれた部分が綺麗に消えている。また、月別の対局結果の一覧からもリンクが消されている。しかも過去に遡って、だ。


伏線はあって、将棋連盟現会長のWebサイトの「整いました。その心は(2010.12.19記)」の中でこう書かれている。

プロの対局を終日観戦出来ます。もっともこれは主催社などと話し合ってケイタイ中継できるものを決めています。
 日本中で唯一毎日新聞社関連の棋戦だけは観戦出来ません。即ち名人戦、王将戦、順位戦の3つです。毎日新聞社以外のものは全て話し合いがうまくいきました。

これが関連しているのかどうかはわからないし、連盟の公益社団法人申請が絡んでいるのかもしれないが、部外者にはさっぱりわからない。ファンとして不便になることだけは事実だ。
(個人的には将棋連盟は普及(公益)と競技(利益)の2つに分けた方がいいとは思っている。ちょっと分け方は違うが、JPNICとJPRSのように)


本件はさておき、前から気になっていることをとりとめもなく書くことにする。「将棋中継の収益化」の話だ。将棋連盟は日本将棋連盟ライブ中継などで対戦中継を有償で提供するようになった。Web公開されている対局中継では、名人戦(順位戦)は有償であったが、他の棋戦に関しては無償で提供されているものもある。Webでは提供されてないものもある。

棋戦の多くは新聞社主催であり、棋譜と観戦記を新聞紙面に載せて購読者を増やすことが目的のはずで、その棋譜を無償で(しかも新聞掲載よりも前に)Webで見れる状態にするのは、なんなんだろう、という疑問がある。無償で見れる棋譜にも観戦記者のコメントがついているし、臨場感を考えると新聞で読むよりも優れていると思う。蛸が足を食ってるような感じだ。いや、ファンとしては うれしいんですけど、これは持続可能な仕組みなのだろうか、という疑問。持続可能でなければ無くなる可能性がある、という不安もある。

新聞によっては、紙面に(プロ棋戦ではなく)アマチュア棋戦の観戦記を載せているところもあって(琉球新報紙に地元将棋大会の棋譜が掲載されています)、こちらの方が「知人・親戚が購読するかも」という効果があって、地方紙では魅力的なコンテンツになるような気もするし。


昨日はたまたま棋王戦の挑戦者決定戦があり棋王戦中継サイトで中継された。左図がその中継画像イメージ。広告がなくすっきりしたレイアウトで見やすいのだけど、逆に言えば広告などで収益を得ることが難しい仕組みになっているとも言える。

また、このサイトから棋譜ファイル(kif)を参照することでiPhoneなどからでも棋譜が参照できて極めて便利だけど、そうなるといよいよ広告を入れることは難しい。観戦コメントに10行おきに入れるわけにもいかないだろうし。
将棋とPCやインターネットの相性が良すぎるのかもしれない。将棋世界の電子書籍化がうまく言ったことの裏返しでもある。

そうそう、LPSAのサイトは、スポンサーリンクが張ってあってそのへんを意識しているのはいいと思う。そう意識してないと持続できないと思うので。

とりとめもなく書いたけど、ここで終わり。また考えが進んだら書くことにします。

追記:王将戦の棋譜を携帯で参照するには、道路上将棋!の棋譜変換が使えると思います。2011/01/09の第1局は道路上将棋!から参照できるはず。棋譜コメントは見れませんし、自動リロードもないけど。こういうことができるのがkifファイルが参照できる利点ではあるんだけど、広告とか考えると難しい問題だなあ。

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