大人向けの良書:はじめてでもたのしめる かんたんマスター将棋

大人向けの将棋入門の良書「はじめてでもたのしめるかんたんマスター将棋」を発見しましたので、ご紹介します。入門書をまず1冊買って読みたい方にお勧めです。

以下、なぜこの本がお勧めなのかを、いままでのよくある入門書と比較して説明します。

良い入門書が探せない

「将棋 入門書」で検索すると 色々な本が紹介されていますが、そのほとんどは初心者向きではない本や初心者にはわかりにくい本だったりします。なぜでしょう?

多くの人は適当な入門書を1冊しか読みません。そのあとで親や友人や将棋教室にて対局し、対局を重ねることで徐々に上達していきます。昭和のころは将棋を指せる人が多かったので、入門書を読まずに親戚や友人から習った人も多いでしょう。そしてある程度上達してしまえば、入門書は不要になります。入門書を何冊も読んで比較検討する人はほとんどいません。ですから将棋の強い人に入門書を訪ねても、それが良い本である確率はかなり低いのです。

そして、一握りのロングセラーを除けば書籍は再版されないことが普通ですので、仮にその1冊が良書でも入手できないことも多いのです。
結局、誰に聞いても「書店に行って適当な本を買え」以上のアドバイスはできなかったのです。

(Webの情報があまりにも参考にならないので、私が入門書を比較検討して書いたのが「初心者のための将棋入門書」です。こちらもご一読ください)

入門書の出来もひどかった

昭和の頃の入門書は「周りに将棋をさせる人が大勢いる」ことに甘えていて、駒の動かし方・並べ方など最低限の知識を教えたら「あとは友人と実戦しましょう」と読者を放り出していました。当時の本を読むと、その不親切さと難解さにはびっくりさせられます。

男性のほとんどが将棋を指せた時代ならともかく、将棋人口530万人(レジャー白書2015)の時代には旧態依然の参考書では将棋は習得できないと思います。

流れが変わったのは羽生善治のみるみる強くなる将棋入門(全7巻) からでしょうか。この本は画期的でした。とにかく細かく・丁寧に解説してあって初心者を途中で放り出す事がありません。今でもこれに勝る本はないと思います。さすが羽生さんです。ただし解説が詳しいだけあって巻数が多いのが痛し痒し。

木村八段の「はじめてでもたのしめる かんたんマスター将棋」

そうは言っても世の中進歩するもので、はじめてでもたのしめるかんたんマスター将棋という良書が出ていました。
よくある将棋入門書と異なり、教えるべきことをきちんと解説した後に、例題、練習問題と進みます。これ学問の習得の王道ですよね。練習(復習)することで脳にきちんと定着させるのは理にかなっています。

さらに素晴らしいことに、この本では「駒得と駒損」「強い手」についても説明が書かれています。駒を取られそうでも逃げずに さらに強い手で返すのは、上級者ならよくあることなのですが、それを詳しく説明している本は見た事がありません。この説明部分だけでも、この本には価値があると思います。さすがは千駄ヶ谷の受け士の木村八段です。

なお表紙にはCGキャラクタが書かれていて子供向けに見えますが、本文はふりがなも振られておらず、どちらかといえば大人向けの本だと思います。中学生以上なら読めるかな?
(内容が良いだけに表紙と書名で損をしている本だと思う)
2010年発行の本ですので、書店では売り切れているかもしれません。電子書籍版もあります。

羽生さんのみるみる三部作が1冊にまとまったような本ですし、練習問題が多く載っていますので、解説されている内容はやや少なめです。本書で物足りない場合は、羽生さんのみるみるの追加購入をお勧めします。

コメント

  1. しきな より:


    友人の本当の棋力は免状で五段です。友人は中学生の時に五段まで昇段しましたが、進学などの理由で将棋をやめました。
    「やめてかなり経つから、もう通用しない」と言ってたので試しに将棋倶楽部24の魔の巣窟フリー対局室で指してもらいました。三局指して全勝、本人含め予測外の結果でした。
    内容に納得はしていない様でした。「相手の敗因は終盤力の無さ、攻めが緩いというか完全に見失っていた、序中盤でリード拡がってたのに勿体無い。あと本当に相手15級?強いよ棋力詐称じゃないの?」との事。

    多分まだ強いと思います。

    ついでに将棋の事、色々聞きました。
    好きな戦形「一番は角換わり、あと右玉と角換わりも好き」
    嫌いな戦形「相矢倉と相穴熊」
    将棋での苦労は?「矢倉と穴熊と振り飛車。すぐにやめた(笑)」

    友人は近所に住んでて自宅で自営業してるから逃げも隠れも出来ないすぐに会えるんですよね。

  2. より:


    しきなさん、こんばんは。
    その3冊はいい本だと思いますが、初級者には難しいように私も思います。

    「駒落ち戦のすすめ(3) 覚えたての人は果てしなく初心者である」にて書いたのですが、多くの方は自分が初心者だったころの事は都合よく忘れているんですよね。
    * http://shogi.zukeran.org/2016/12/27/komaochi-3/

    ある程度強くなってから自力で苦労したことは覚えているので、友人の方にとっての最初の苦労が「寄せ」の部分だったのでしょう。入門の域はとうに過ぎてますよね (^_^;;

    8級は将棋倶楽部24の8級かな? 県内の大会ならA級で出てもおかしくないかも。
    ( http://shogi.zukeran.org/2016/06/29/okinawa-rating/ )

  3. しきな より:


    将棋始めた頃、友人にオススメの入門書を聞いたのですが「子供の頃、人から教えてもらったから読んだ事無い」と言われました。

    友人に良く読んでた本ある?とさっき尋ねたところ「寄せの手筋168、凌ぎの手筋186、美濃崩し180の三冊」と答えました。理由は「一局を通しての棋力が安定する、棋風に関係無く読める、基本的な事は全部載ってて易しい」友人の棋力は自称八級ですが、随分遠い八級だと感じた瞬間です。