将棋覚えたての初心者向けの駒落ち手合いについて
前回の将棋大会(アマ竜王戦)は風邪のため参加できませんでした。対局記事の代わりと言ってはなんですが、最近考えていることについて、つらつらと書いてみます。
あちこちに顔を出す機会が増えて、将棋初心者と指す機会も増えてきました。駒の動かし方と最低限のルールを覚えたら対局したくなるのは誰でも同じ。そこで駒落ちで指すことになるのですが、その時の手合いをどうするのが良いのか、どの順序で変えるべきかを考察してみたいと思います。
最初は裸玉で良いの?
まったくの初心者相手なので上手が極限まで駒を落とすと裸玉になります。これなら初心者でも簡単に勝てると上手は思いがちですが、そうではありません。
大抵の初心者は動かせる駒が多いのでどうしてよいかわからない状態になります。初手で飛車先を突いたり・角道をあけられるのは初心者のうちの極々一部です。
普通の初心者は鉄壁に見える歩をまったく突かずに他の駒を動かすか、適当な歩を突いてきます。上手の玉に歩をボロボロ食べられて負けてしまいます。いや、負けてあげるのが上手の仕事なんですが、かなり上手が苦労します。もっと楽に勝たせてあげたいものです。
下手歩なしの青空将棋は?
下手が勝つためには飛車角の両方を成って挟み撃ちにするのが良いのですが、角はともかく飛車を成るにはかなりの手数がかかります。これが迷いの原因です。
とっとと飛車を成って、龍の横利きで玉の移動範囲を狭めて、馬と連携して詰ませることを楽しみながら学んで欲しい。そこで面倒くさい歩を全部取っ払います。これは中倉彰子女流二段もおすすめの指導方法※1です。
ところが、これでも初心者には駒が多いように感じられるようです。香車もすぐに成れますし、他の駒も動かしてみたくなります。それらの誘惑を振り切って飛車と角だけ使うのは(とくに小さな子供さんには)難しいかもしれません。
角と飛車だけ
では、使って欲しい飛車と角以外は取ってしまいましょう。玉も。だいぶスッキリしました。これなら挟み撃ちの練習だけに専念できます。これでもうっかりすると王手千日手で上手が勝ってしまったり。
詳しい指導方法はいつつのページに書かれています。細やかなところまで気の効いた教え方です。
角と飛車の次は?
ここはまだ私も悩んでいます。青空将棋との差が大きい気がします。他の駒も使わせてあげたいので、手持ちにしてもらうのはどうでしょうか?
これで一通り駒の動かし方・性質を覚えたところで青空将棋→裸玉→10枚落ちと進むわけです。筋のいい人なら、すぐに裸玉でもいいかもしれません。
ディスカッション
コメント一覧
上手が六枚落ちをイヤイヤ指してる(しかも上手圧勝)状況だと、こういうの提案しても受けてくれそうもありませんね。
上手も下手も駒落ちを嫌がる人がいて、それはそれで仕方がないのかなと思います。駒落ちは平手とは全然別の将棋になりますから。
対戦相手を増やしたい(普及したい)と思う方が、この記事のことを心がけていただければ幸いです。