将棋棋士の直観の脳科学的研究のビデオが興味深い

2011年6月25日に理化学研究所の「RIKEN Science Seminar IV 特別編」が開催されたが、その模様がYouTubeに掲載されている。これはプロ棋士が協力して研究された「将棋棋士の直観の脳科学的研究」の成果の報告会である。これがかなり面白い。その面白いビデオから特に興味深く感じた部分をちょっと書いてみる。



将棋プロジェクトのすべて① はじめに~将棋を指す脳の仕組を求めて

概要:プロジェクトの説明と、詰将棋を用いた調査の話。どうもプロ棋士とアマチュア棋士では、脳の使い方が違うのではないかという話。

この動画は導入部分ですね。23分ごろまで飛ばして見てもいいかも。

将棋プロジェクトのすべて② 直観的理解の手掛りと素早い脳波活動

概要:棋士が盤面を見たときに、何を手がかりにして局面を把握しているのかを調べた研究。一般に知られている駒の価値の順番(王→飛車→角→金→銀…→歩)と局面を把握するときの順番が違う。王・飛車・角までは一緒。その後アマチュアは金→銀と把握するがプロ棋士は銀→金の順である。

これはちょっと目から鱗。たしかに戦法でも「5七銀右」のように銀の名前が付いている戦法が多いし。こんどから局面を見るときは玉→飛車→角→銀の順に見るように心がけてみよう。少しは強くなる….かも?

概要:定跡局面とランダム局面を見せると、局面把握の時間が違う。まあそれは当然。ところがプロは定跡形を見たときだけ活動する脳の部分がある。また、脳の頭頂部の活動で分析するとプロは2パターンに分かれる。それは研究型と終盤型の棋士である。脳の働きの個性が棋風につながってるのではないか?

研究型と終盤型で脳の活動が違うというのは興味深い。これは生まれつきなのか、それとも、訓練の結果なのだろうか? 藤井先生はきっと序盤型なんだろうな。この動画は全部見る価値があると思う。

将棋プロジェクトのすべて③ プロ棋士の直観思考の脳内メカニズム

概要:まず海外の研究の紹介。チェスのプロとアマ高段の調査では、読みの深さではプロもアマもあまり変わらない。ただし、プロは最善手が直感的に浮かんでくるが、アマはいろんな手を読んで検討している。 同様の研究をMRIを用いて1秒詰将棋と8秒詰将棋で行った。プロの場合は1秒詰将棋の場合、基底核に特別な反応があった(アマでも反応時間が短い場合は反応あり)。直感的・高速に解ける場合だけ活動している。

繰り返し詰将棋を解くことで、脳の古い部分(基底核)で直感的に詰将棋が解けるようになる、のはいいんだけど、そこに至るまでにはどれぐらいの時間がかかるんだろうか。凄すぎて参考にならない(^_^;
1秒将棋とかはiphone/ipadのi羽生将棋で鍛えられるかな?

将棋プロジェクトのすべて④ 成果活用にむけた展望

概要:ITシステムのトラブル対応みたいなものに、直感の研究が応用できないかという話。

予算の確保はどこも大変だなあ。研究だけでも充分に面白いし、国民の成果になってるのに。

将棋プロジェクトのすべて⑤ トークセッション

概要:研究者と森内名人・渡辺竜王の話。長考について。直感で見えた2-3の候補手を迷っていることが多い。長考で閃くことはなかなかない。直感で見えた手の精度を高めるために考える。直感と閃きは違う。10歳のときと今(27歳)では知識が増えているので、その分は読まないですっ飛ばす(渡辺竜王)。羽生さんは途中考えてるので一度何を考えているか聞いてみたい(森内名人)。時間制限などで読み切れないときに個性で指してしまうが、本当は最善手を目指したい。新しい局面でどれぐらい正しく指せるかが強さ。積み重ねが大切。

「新しい局面でどれぐらい正しく」かあ。次の一手をもっと勉強すべきかな。このセッションはいろいろな話題がでて面白いです。オススメ。