数学セミナー2017年11月号 特集「コンピュータ将棋・囲碁のこれから」
数学セミナー2017年11月号にて「コンピュータ将棋・囲碁のこれから」が特集されています。コンピュータに詳しい人向けの雑誌ではないので、特集記事は(2番目以外は)読めると思います。特にプロ棋士の書いている2篇はわかりやすいと思う。
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目次から
以下の記事が特集として掲載されています。
特集=コンピュータ将棋・囲碁のこれから
*コンピュータチェス・将棋・囲碁……伊藤毅志 8
*ディープラーニングのインパクト……前田新一・齋藤真樹・藤田康博 14
*コンピュータ囲碁とディープ・ラーニング……加藤英樹 22
*[プロ棋士の視点から] 棋士の認識とコンピュータ将棋の影響……千田翔太 27
*[プロ棋士の視点から] 囲碁の未来……光永淳造 30
*コンピュータ将棋・囲碁の今後……松原 仁 32
そのほかにもボードゲーム関係の記事があります。詰将棋の連載は2017年4月号から始まったようです。これも藤井効果でしょうか。
チェッカー解明と人工知能◎岸本章宏
詰将棋の世界/詰将棋とコンピュータ (1)……齋藤夏雄 84
記事感想
コンピュータ将棋にも詳しい千田六段が記事を書いています。P.27-29の3ページ。矢倉に対する急戦左美濃や角換わりにコンピュータが与えた影響、棋士の受け取り方について書かれています。“コンピュータが人間を遥かに超えた”との認識が素直に示されており、将棋世界などではなかなか読めないタイプの記事に仕上がっていると思います。
囲碁棋士の光永六段の記事と比較すると、囲碁界・将棋界のそれぞれの捉え方の違いが見えて面白いです。これも将棋専門誌や囲碁専門誌だけではわかりにくい視点でしょう。
最後の「コンピュータ将棋・囲碁の今後」では囲碁が外国では「スポーツ」として捉えらえており、日本の囲碁・将棋が「道」であることから、コンピュータが人間を超えたことを囲碁界は受け入れられるだろうとの推測が書かれています。この視点から、千田六段・光永六段の記事や将棋世界などの記事を読み比べてみると、その差がさらに興味深く感じられます。
コンピュータ将棋に関心がある方には「ディープラーニングのインパクト」が面白いかも。春の第27回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC27)にPonanzaと組んで参戦したPFNの方々による記事です。「Ponanza Chainer アピール文章」だけでは物足りなかった人には読む価値ありだと思います(内容はかなり難しいと思う)。
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