良質な将棋入門アプリ「みんなの将棋教室」
実は、大人が将棋を最初から学ぶのは難儀なことだ。子供なら時間の余裕はあり、同級生同士で対局してもそれなりに上達する。子供向け将棋教室やサークルも各地にある。
ところが大人は使える時間も限られるし、対局相手を探すのも大変。仮に相手がいたとしても棋力差があるので、楽しく上達できるかは相手次第だ。地域によっては大人向けの将棋教室が存在しない所も多い。
仕方がないので棋書やネットに頼るのだが良質な入門書は少ないし※1,2、ネット対局でも棋力差があるので連戦連敗するのは確実。心が折れてしまう人も多いだろう。
スマホで将棋入門
大人向けの将棋入門アプリもいくつか出ているのだが、質の高いアプリはi羽生将棋シリーズぐらいしかなく、ほぼ独占状態だった。そこに新たに現れたのが「みんなの将棋教室」だ。
初心者向けの対局ソフト(金沢将棋レベル100など)で定評のある UNBALANCE社製。期待が持てるのでさくっと購入。期待に違わず良いソフトでした。
対象棋力
駒の動き方がわからない方から8枚落ちぐらいまで。30級〜20級ぐらいでしょうか。
10・8・6枚落ちで対局できますし、10・8枚落ちと平手対局の解説もあります。
アプリ画面:入門と解説
起動画面。「ルールを覚えて指してみよう!」という呼びかけが素敵。
基礎編。アプリらしく盤面を使って細かく解説されています。
項目がもう少し多いといいと思う。書籍と異なりアプリは追加・改訂しやすいので、項目追加に期待。
練習問題。問題のあとに解答・解説があるのですが、これはやや不親切。解説→問題(複数)の方が良いと思う。
最初は問題を解かずに解説を読みすすみ、問題集は別途買った方が良いかもしれません。
詰将棋は一手詰めが25問収録されています。頭金から始まっていて入門向けです。
初心者のうちは一手詰めを数多く解くことが大事。
問題や解説を読むと出てくる「格言」の一覧。全種類揃えたくなる?
用語集も充実しています。他の棋書を読むときにも使えると思う。
アプリ画面:対局
対局はレベル1-3、10・8・6枚落ちと平手。先後も選べます。
10枚落ちで勝ってみました。入門向けに10枚落ちがあるのは非常に良いです。入門者は10枚落ちで勝つのも大変。勝てるようになるまで解説を繰り返し読むといいと思います。
平手のレベル1。駒得に走って頓死してくれました。初心者相手にはこれぐらいがちょうどいいです。このあたりは金沢将棋のノウハウが生きていると思う。
ちなみにレベル3はそこそこ強いので、このソフトで6枚落ちを卒業したあとも長らく遊べると思います。
総評
冒頭でも述べたように、「i羽生将棋」の独壇場だった入門将棋アプリの世界に新規参入してきた「みんなの将棋教室」。金沢将棋のノウハウを生かした良ソフトに仕上がっていると思います。
特に10枚落ち・8枚落ちの駒落ちがあることや用語集が充実していることは大事。入門者の困る点をちゃんと抑えています。
追記:試しに小学校3年生に遊んでもらったら、ちゃんと学習できたようなので、本記事のタイトルから「大人向け」を外しました。
「みんなの将棋教室」を終えてからi羽生将棋シリーズの定跡・手筋に進むとちょうど良いぐらいでしょうか。「みんなの将棋教室」の続編が出たら競争激化しそうです。
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