激指の 評価値には 200000 もあるのね / 難解3手詰の話
第21回世界コンピュータ将棋選手権独創賞の「なのは」の作者ブログ「かずの心の贅肉」にあった「3手詰めが詰まない?!」というエントリ。激指10でも不詰みになるという話なので、試してみました。
左図が問題。双玉問題で、上手の持ち駒が歩だけです。手元のソフトでは激指定跡道場2、東大将棋6共に不詰と言われますので、人力で解いてみます。と言っても、私の乏しい棋力では自力では無理ですので激指に補ってもらいます。
最初に思いつくのは▲4二歩成ですが、△4三歩打で王手が続きません。
「3手詰めが詰まない?!」にもあったように▲4二歩不成にしてみると…「△4三歩 評価値200000」と表示されます。200000って初めて見たような気がする。これ、たぶん、打歩詰などの反則のときに出てくるんでしょうね。勝ちのときの評価値99999よりも大きくしておいて、「たとえ負けるとしても反則負けだけは選ばない」ようにしているのだと思われます。
3手詰のはずなのに、4二歩不成時点での評価値が99989です。△3三香の局面(左図)まで進めてみると…
評価値99997になりました。激指の検討は無駄合も数えるため ▲1七飛△3六歩▲同角の3手詰と表示されています。
さて、ここで3手になるのはいいのですが、なぜ直前の局面では99989なのでしょうか? 99989って無駄合入れて11手詰ですよね?
もう一度、4二歩不成の局面の検討を見てみます。△3三香▲1七飛△4六歩▲同角△3五歩▲同角までは見えています。これで6手です。この時点で詰みのはずですが、実際に進めてみると△3五歩の時点で▲同角△同香という反則手が候補にでてきて、評価値99998と表示されます。ただし、▲3五同角まで進めると詰みと表示されますので、実際の対局では反則手は指しません。
とは言え、この99998とここまでの7手を計算しても99991にしかならないので、何か変な感じがします。
遡って、出題図まで戻して検討させると、4二歩成にて先手勝勢のままなんですよね…
Bonanza 6.0も銀星将棋SP2も4二歩成が第一候補なので、共通の弱点があるんでしょうね(Bonanzaでは高速化のために歩・角・飛の不成は読みに入っていないらしい)。
ただ、激指の「詰みチェック」でも不詰みになっちゃうのは謎です。
コンピュータ将棋は終盤完璧!と思ってると思わぬ落とし穴があるということかも。
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