1999年の将棋世界/藤井竜王獲得記事
藤井猛先生が竜王を獲得したのは1998年11月18日。藤井信者として当時の状況を知りたいと常日頃思っていたら、たまたまYahooオークションに1999年の将棋世界1年分が出品されているのを発見。即落札。
この年の将棋世界は藤井先生の竜王戦記事以外にも面白い記事があるので、ここで紹介します。
表紙
竜王を奪取したことで表紙は当然藤井先生。カラーページでも「将棋界を席捲」「完璧な勝利」とべた褒めです。
1月号の時点で対局数2位・勝数1位・勝率1位(0.842)。1998年度の第26回将棋大賞では最多対局賞・最多勝利賞・技能賞を獲得しています。
河口老師の新・対局日記(P.76)でも「藤井新竜王の強さである。強い強い、本当に強い。正直言ってこれほど強いとは思わなかった」と書かれている。いやー、この当時に将棋世界を読みたかったなあ。
目次
谷川竜王に4連勝した直後の将棋世界。「藤井猛、新竜王に!! 藤井システム、将棋会を席巻」。巻頭カラー10頁に渡り藤井新竜王の写真が載っている。これだけでも藤井信者としては買った甲斐があるというものだ。
本号は290頁あり、最近の将棋世界と比べると1割ほどページ数が多い。カラーページが多いのはそのせいかもしれない。
コンピュータ将棋入門
松原仁先生によるコンピュータ将棋についての連載。第3回はミニマックス法・アルファベータ法の解説。1997年にコンピュータチェスが世界チャンピオンを破ってからまもない時期のため、チェスとの比較も多く書かれている。
当時のコンピュータ将棋は 前向き枝狩りをして7-9手読むのが精一杯だったようで、チェスのように14手先までは到底読めないとの記述がある。今では強いソフトは20手以上読むのだから、この間の探索技術とハードウェアの進歩が著しかったことがわかる。
森田将棋の広告
森田将棋64の広告。
当時9800円の将棋ソフトも 今やiPhone版は450円。デフレというか価格破壊というか。
その他の将棋ソフトの広告も多いし 将棋に関係の無い広告も多数あり、雑誌メディアの地位がインターネットの普及と共に大変動したことが伺えます。
なお、作者の森田さんは最近訃報が伝えられました。
変わりゆく現代将棋
羽生四冠による「変わりゆく現代将棋」が連載19回目。第1章矢倉と題された連載が矢倉だけで終わるとは、当時連載を読んでいた人は想像できただろうか。その10年後に「この連載は矢倉における5手目の最善手を追究しようとした極めて意欲的で斬新な内容」と評されて出版されることも。
連載当時にこれ読んで理解できた人はどれぐらいいるんだろ? 私は書籍を上下巻買いましたが、まえがき・エッセイ・対談ぐらいしか読んでない (^_^;;
当時の棋士
佐藤康光名人・藤井猛竜王・郷田真隆棋聖・羽生善治四冠。なんだか今とあまり変わりがない気もするが、A級は半数近くが入れ替わっている。故村山聖九段の名前が見える。女流は清水市代四冠。
C2に木村四段・行方五段・山崎四段、奨励会二段に渡辺明現竜王や、沖縄出身の城間さんの名前も見える。
ヤフオクで時々1年分まとめて出品されていますので、藤井ファンは買いだと思います。1998年や2000年のも安くで出てこないかな….
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