将棋入門者が学ぶべきスキル(2) 逆利き

将棋入門

前回に引き続き入門者が学ぶべき技術の例を書いていこうと思います。私もまだどれだけの技術が必要なのかわかっていないので、私が把握しているところから少しずつ書きます。今回は逆利きについて。

逆利きって何?

ある駒Aに対して別の駒Bで当たりをかけたい時にBを置く場所のこと。あるいは駒の先後をひっくり返したときの利きのこと。正式な呼び名は存在しないらしく「2009-12-20 – Bonanzaソース完全解析ブログ」では「利きの逆算」「逆利き」と呼んでいます。

例えば、後手玉が5五の位置にあるとします(他の駒は先後とも無しとします)。この玉に対して持ち駒で王手をかけられる場所はどこでしょうか?

金銀の場合を例にします。よく見ると、後手玉の位置に後手の金銀があるときの利き先と同じになっています。



桂香も同様です。後手玉の位置に後手の桂香を置いたときの利き先=後手玉に王手をかけられる場所 になっています。




飛角や龍や馬も同様です。こちらは先後対称になりわかりやすいので省略します。

逆利きが使えると何ができるようになるか?

例えば両取りをかけられる場所の判断に使えます。王と飛車が以下の配置にあり持ち駒に角がある場合。両取りがかかりそうです。
このような場合、初心者の方は角を(脳内で)置いてみて、その角から利きを調べることが多いです。角の置き場所は多いので調べるのも大変です。


慣れてくると取りたい駒から逆利きを伸ばし、その交点が両取りできる場所であることが理解できるようになります。今回の例では5五の地点に角を打てば王手飛車取りです。気持ち良い。


他の駒でも考え方は一緒です。例えば銀で両取りをかけたい場合は、取りたい駒のところ2箇所に相手銀を置いて、両方の利きが重なるところが両取りできる位置です。


順利きと逆利きの組み合わせ

下記の配置の時、角を移動して王手になる場所はどこでしょうか?


自分の角の順利きと相手玉からの逆利きを伸ばした交点が移動して王手できる場所になります。


名前をつけることは上達の助けになる

上級者の方は知らず知らずのうちに逆利きが使えるようになっていて当たり前の技術だと思っています。専門用語が存在しないのは当たり前過ぎて名前をつけるまでもないと思われているのでしょう。
子供同士で将棋を指していた私でもこの概念は身についていました。しかしながら(特に大人の)将棋入門者や初心者には用語と概念を先に教えた方が上達が早いと思います。初心者の学習に役立つ概念に名前がついていないのは将棋界の弱点だと私は思います。

2009-12-20 – Bonanzaソース完全解析ブログ」には更に上級者向けの話も書かれています。ややプログラマ向けの内容ですが、ご参考まで。

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