駒の価値の把握はなぜ重要なのか

2018/06/12将棋入門

将棋入門される方は、最初に駒の動かし方とマス目の符号(1一〜9九)を覚えます。これと「敵の王様を取れば勝ち」だけ覚えれば対局できるようになります。その次に覚えるのは詰みの概念、それから駒の価値(駒割り)でしょうか。

駒価値の把握は棋力向上にとって重要な要素です。駒の価値があやふやなまま対局しているといつまでも勝てません。棒銀戦法を繰り出して果敢に攻めているのに、攻めれば攻めるほど駒損して負けることもしばしば。

駒の価値は最初のうちに正しく覚えておかないと、なかなか勝てませんし、妙な癖がつくことにもなり兼ねません。私自身もかなり後まで二枚替えが苦手でした。「どう考えても大駒の方が強い」と思っていました。

駒ごとに点数をつけると何がわかるのか

幸い将棋の駒は大きさに違いがあり、その大きさが価値を表しているので大小関係は誰でも覚えられます。飛角が価値が高く、歩は価値が低い。ここまでは誰でも理解できます。問題はその次。


例えばこちらの銀と相手の歩を交換したら、どれぐらい損なのか? 角と金銀の二枚替えはどれぐらい得なのか。単なる大小関係だけでは損得の大きさは計算できません。

そこで駒割り。駒ごとに点数をつけることで、駒交換に何点ぐらいの価値があるのかを計算できます。駒割りを把握することで「少々損しても攻めが繋がるから良し」といった判断ができるようになります。

駒の点数は何点?

将棋の棋書では駒割りとして点数をつけているものもあります。例えば、はじめてでもたのしめるかんたんマスター将棋では、「飛100点、角95点、金60点、銀55点、桂35点、香30点、歩5点」、成駒は「龍120点、馬115点、成銀60点、成桂60点、成香60点、と金60点」としています。点数が細かくて、暗記したり点数計算するのはちょっと面倒かもしれません。

ある初心者講座では、歩1点・香3点・桂4点・金と成金6点・角9点・飛10点・馬11点・龍12点、と金は6点+αと教えていました。これは覚えやすい。と金は取られても歩に戻るので少し加点したいところです。

点数の付け方は人によって差がありますが、いずれにせよ、自分が納得できる点数をしっかり覚えることが重要です。

駒の価値を何に使うのか?

駒の点数がわかったとしても、それをどのように使えばいいのでしょうか? コンピュータ将棋では「形勢判断(評価値の計算)」・「駒を取る順序」・「駒の取り合いの評価」・「先読みの打切り」など様々なところで駒割りが使われています。 以下、それぞれの例を解説します。

形勢判断

形勢を判断するときに、相互の駒の差を計算して「歩1枚得」「角金交換」のように考えていると思います。これを「角金交換なら角が9点、金が6点なので3点得」のように計算します。

将棋ソフトも同じように「評価値」を計算するときに、駒の価値を使っています。多くのソフトは歩1枚が100点前後になるように計算しています。序盤で歩をタダ取りできれば、それだけで200点の差が付きます。

駒を取る順序の判断

基本的には価値の低い駒から先に使います。下記の局面なら☖2四同歩・☗同銀・☖同銀・☗同角・☖同角・☗同飛と進むのが普通の進行でしょう。同歩・同飛と取るのはかなりの例外です。

(なぜ☖2四同歩・☗同飛と進まないのかを考えるのも練習になります)


駒の取り合いの評価

上図の例では駒の取り合い終了後の持ち駒は双方とも歩・銀・角になっています。損得がありません。

仮に攻め方の駒が1枚足りない場合はどうなるでしょうか? 下記の例であれば、☖2四同歩・☗同銀・☖同銀・☗同飛・☖同角で、先手が駒損(飛車損)になってしまいます。

駒損になっても攻めた方がいい場合もあります。その場合でも「この取り合いは飛車損で10点の損だが、それでも別の場所で取り返せる」のように判断基準として駒の点数が使えます。

先読みの打切り

上記の駒損する例の場合「2四歩を付くと飛車損になる」ということがわかります。飛車損というのは非常に大きな損ですので、(初心者なら)その先を読む必要はまずありません。「2四歩は読まずに、別の手を考える」ように方針を立てるべきです。

もちろん将棋は例外だらけのゲームですから、特に終盤では大駒を叩き斬って勝つ場合もあるでしょう。それでも初心者のうちは大きな駒をタダで捨てる手を読まないことが大事です。

駒の価値を把握しよう

自分の対局中も何回か時間を使って「現在の駒割りはどちらがどれぐらい有利なのか」を考える癖をつけましょう。慣れるまでは棋譜並べやTV対局の観戦中に計算してみるのも練習になります。

将棋入門

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