チェス学習サイトから見習うべき点は多い

2017/06/10読み物

後輩に誘われて、チェスの勉強を始めた。将棋と似ているようで異なる点も多く、意外な面白さがある。

将棋の勉強の経験からすると、子供は実戦でも上達するけれども、大人は1手詰めや次の一手問題を勉強した方が良いように思う。そこで、チェスでも次の一手問題(Tactics)を中心に学習している。まだ不慣れなのだが、将棋を勉強し始めたころのワクワク感がある。

チェス学習サイトは至れり尽くせり

一説にはチェス人口は3億人とのことで、将棋に比べて数十倍の競技人口が存在する。人口が多いせいか、チェスの学習サイトは内容が充実していて面白い。私は主に以下の2つのサイトを利用している。

chess.com は無料で毎日5問の次の一手問題が解ける。Chess Tempoに至っては無制限だ。問題が無制限にあっても解く時間は有限なので chess.com の方をメインに勉強している。

chess.com では問題の難易度・正解数を元に棋力を数値化(レーティング)している。将棋のサイトにも同様な表示をするところはある(将皇など)。

素晴らしいことに、問題に出てくる手筋別の正答率もわかる。自分が得意・苦手な手筋を把握することで効率的な学習ができるし、個々の項目の達成率を見ることで自分がどれだけ進歩したかもわかる。

私が回答した問題に対して、他の人がどれだけ正答したかの割合もわかる。

競争よりも目標管理

将棋は勝負事なのでややもすれば勝ち負けが重視されがちだ。しかし、学習を始めたばかりのころは負けることも多いし、上達の途中では体調や相手によっては連敗することもあるだろう。心が折れてしまって将棋を辞めてしまう人もいる。残念なことだ。

将棋は良くできたゲームで勝ち負けを抜きにしても面白いと思う。詰将棋はその好例。頭の体操としても面白いし、徐々に長手数の詰将棋が解けるようになるのも楽しい。個人の上達の過程を単なる勝ち負けや勝率ではなく技能の達成度で測れれば、より効率的に上達できるし、脱落する人も減るのではないかと思う。

競争原理による人の管理には、一面、不安定な部分がある。それはトップ2〜3割の人間にはとても効果的に機能するが、それ以外の7〜8割は途中から次第に息切れしていく点だ。そしてボトムの1〜2割は、早くに競争に背を向け、戦線離脱していく。残る5〜6割の、いわゆるボリューム・ゾーンにいる人たちのモチベーションをどうやって維持するかが、このような管理手法の課題になる。
(中略)
だれしも、管理されるのはいやだ。でも、能力は向上したい。もしも人と比較して管理されるのが嫌なら、自分自身が設定した目標とくらべて向上を図るしかない。「目標管理」がひろく用いられる所以である。逆に、むきだしの競争原理が、科学と無縁の根性論に結びついて生まれた「管理」システムは、ボリューム・ゾーンの人のやる気を傷つける可能性さえあるだろう。

Chess.com登録後に送られてくるメッセージ

チェスの世界にあるような、上達の過程を自分で把握できる将棋サイトが欲しい。

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