初心者は角交換が嫌い
将棋を覚えて駒の動かし方を覚えたばかりの初心者や、まだ自分の戦法が確立していない初級者は序盤での角交換が嫌いだ。序盤で角を交換されると、自陣に打ち込まれて駒を取られたり、両取りをかけられたりロクなことがない。かといって、自分が角を手駒にしてもどこに打ち込んで良いのかわからないし、下手に打つと角頭を攻められて取られてしまったりする。
(逆に角交換が大好きな初心者もいる。角が交換できる局面なら何も考えずに交換。「次はどこに打とうかな」と角を持って考えている。大駒を打つのが生きがい)
思い返してみれば、私も初級者のころは角交換が大嫌いだった。後手番のときに☗7六歩☖3四歩に☗2二角成とされただけで嫌な気持ちになったものだ。そのころネット将棋でよく当たる人が筋違い角ばかり指す人で、苦手意識を植えつけられたのかもしれない。
以下、初級者だったころの記憶を掘り起こしつつ、角交換対策を書いてみます。
ハム将棋は角交換が大好き
一時期は初心者向けソフトと誤って紹介されて大勢の入門者を虐殺したハム将棋。なにしろ羽生善治名人が「で、キャラクターのハムスターが出てきてですね、で、あの、これで対局してくれるんですけど、めちゃくちゃ弱いんですね。初心者の人でも、自分が6枚落ち8枚落ちしても勝てるぐらいで」※1などと紹介したこともある。そりゃあ羽生名人からすれば弱いでしょうけど、ほとんどの入門者は勝てない。連敗して心を折られる。この発言を聞いた時は羽生名人も罪作りだと思ったものだ。
そしてハムちゃんは角交換大好き。序盤で角が交換できる局面ならほぼ確実に交換してくる。そして初心者はオロオロしているうちに角を打ち込まれて負けてしまう。かわいい顔してひどいハムスターだと思う。もちろん私も連敗していました。
まず回避することを覚える
運良く? 四間飛車党になったので先手番に関しては無問題。☗7六歩☖3四歩☗6六歩これでひと安心。陣形が整って角交換の問題がなくなってから☗6五歩を突けば良い。
これは初心者の方にも良く見かけるパターンですね。初心者が角道を止める振り飛車党になる最大のきっかけかもしれない。居飛車党の場合は相手が角道を止めたのを確認してから自分の角筋を通したり、角道を開けずにそのまま左美濃にするパターンを見ることがあります。
問題は後手番のとき。相手が角道止める振り飛車党や矢倉・相掛かり指向なら良いのですが、角道開けっ放しで攻められると困る。これに関してはあまり対策がなくて往生した記憶がある。あとは振り駒で先手になることを祈るぐらいですか。
自分から角交換してみる
「苦手な戦法は、自分で指してみて対策を考える」のが定跡。先手を持った時に筋違い角を打つのも試してみました。当時の勝率は悪くはなかったですが、指していて違和感がありました。勝てないことはないけど、自分の指したい将棋じゃないなあと。苦手意識も減らないし。
その後は、3三角戦法・石田流三間飛車、角交換四間飛車など、角交換を前提にする戦法を勉強してから苦手意識が減ったように思います。序中盤で相手に角を持たれるのが当然の戦法ですが、打ち込みの対策はちゃんとしていてあまり不安はありません。当時は角交換四間飛車がまだ流行ってないころで、定跡を勉強しておけば勝ちやすかったのも良かったです。
級位・レートを上げる
ネット将棋では角交換系の攻めを得意とする人は初級者クラスに多く存在していて、上のクラスに昇級するとあまり見かけなくなります。将棋倶楽部24の初級タブを抜けると一気に楽になる。
ですから、棋力を上げて当たらない環境に移動する、のも手段の一つかもしれません。それができれば苦労はないと言われそうですが。
結論
角交換苦手な方は角交換前提の戦法を一つ覚えるのが、苦手克服の近道だと思います。普段、角道を止める中飛車を指しているならゴキゲン中飛車を覚えてみるとか。似た戦法ならいままでに蓄積した知識も使えますので、それほど大変ではないと思います。
角交換する戦法を覚えて、ハムちゃんを倒してトラウマを克服しましょう。
ディスカッション
コメント一覧
kondouさん、こんにちは。
一時期は角道オープン系振り飛車が流行ったので、角交換苦手な人には大変な時代だったと思います。
いまは揺り戻しもあって、角道を止める形も増えたので私も楽になりました。定跡については……お互い様ということで。
こんにちは。
角交換が嫌なS級もいますよ(笑)
将棋覚えた30年以上前は角交換の将棋はほとんど無かったですから。
振り飛車は角道止めてましたし、相居飛車はほぼ矢倉でしたので。
なので現代の角換わりとか角交換四間飛車とか本当に苦手です。
最近は雁木が流行って相居飛車でも角道止める将棋が多いですね。
自分的にはやり易い時代になったかと思います。
ただ定跡がなかなか覚えれない(泣)