将棋を覚えたての人のレーティング(級位)は?

レーティング

以前、記事「駒落ち戦のすすめ(3) 覚えたての人は果てしなく初心者である」にて、覚えたての人の級位は30級ぐらいではないか、と書いた。子供の頃に駒の動かし方を覚えて友達と遊んでいた大人が20級ぐらいで、入門者はそこからさらに10級以上の差があると推測したのだ。

これは感触としてそれぐらいであろうと推測しただけで、実際にそれぐらいの差があるのかどうかは、はっきりしない。チェスではELOレーティングが世界的な物差しとして使われていて、それで差が測れるのだが、将棋にはそのような基準が存在しない。将棋倶楽部24や将棋ウォーズなどのサイトのレーティングは物差しとしてはあまり信頼できないし、かといって他に適当な基準もない。

プロ棋士・女流棋士・トップレベルアマのレーティング

プロ棋士、女流棋士を対象にレーティングを計算しているサイトがある※2。それによるとプロ棋士のトップがレーティング1900点前後、アマトップが1300点前後である。概ね600点の差がある。

※1将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)

81dojoの段級位

81dojoは町道場の段級位との対応調査を定期的に行なっており※2、ここのレーティング・級位は比較的信頼できると考えられる。レーティング対応表※3を見ると10級がレーティング900-999点。以下、100点刻みに級が増えていく。499点以下は15級としてひとまとめにされている。最高段位が七段(2300点以上)なので、上下の差は大雑把に2000点ぐらい。

※2 「81道場」(将棋連盟後援・オンライン将棋対局場)
※3 Rating System – 81Dojo Docs



81dojoの最高レートがアマトップレベルであると仮定すると、トップ棋士から15級までの差は2600点ぐらいになる。私の推測通り入門者が30級であるとするなら、さらに+1500点を加えてトップ棋士と入門者の差は4100点程度になる。

AlphaGOのレーティング

Google DeepMind社が開発した AlphaGO は、囲碁のトップ棋士に圧勝してその強さを見せつけた。最近、人間の棋譜を使わずに学習することでさらに強いAIを作成できたという論文がでた。その論文中に3時間の学習で初心者程度の実力に達したと書かれている※4。人間のトップレベルには19時間で到達したらしい。囲碁と将棋で分野は異なるが、参考になる情報だ。

※4 AlphaGo Zero: Learning from scratch | DeepMind



論文中のグラフから読み取ると、レーティングは3時間で -2500点、19時間で3000点程度だ。上下の差は5500点になる。


入門者は30級〜50級?

囲碁のようにトップと初心者の差が5500あるとすれば、入門者の級位は45級程度になる。実際、入門者は40級から始まる将棋教室もあるようだ。

仮に40級が入門者だとすると、そこから20級・10級まで到達するには何を学習すれば良いのだろうか? 浮き駒や紐の概念は重要だが、これを覚えたら何級相当なのだろうか? このあたりの基準が欲しいです。
(将棋教室ポポのブログは、級位と学習すべき内容が細かく書かれていて参考になります)

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