相振り飛車のお勧め将棋本

2017/09/27書籍

最近、子供や学生さんに将棋を教える機会が多い。私は四間飛車党なので戦型は対抗系か相振り飛車になる。感想戦のときによく聞かれるのが「相振り飛車はどう指すのがいいの?」という質問。

対抗系の対局後に「居飛車はどう指せばいいか」を聞かれることは少ないし、聞かれても答えられないのだが、相振りなら同じ振り飛車党同士といこともあって聞きやすいのだろう。何度も聞かれて定番の書籍もできてきたので、私が買った本の中から紹介します。

合言葉はもちろんお前が振るなら俺も振る!


藤井本は全部買うべし

当然のことだが、藤井先生の相振り飛車を指しこなす本は全巻揃えて欲しい。対抗系の将棋とは違う、上から押しつぶすような攻めを学ぶには今でも最適な本だ。特に第1巻は必読。最近の相振りでは相手が美濃囲いにしてくることも多いので、2巻も読んでおいた方が良い。

入門・概要を把握するための序盤ガイド

藤井本は古典的な名著なのだが、10年前の書籍だけあって内容もやや古くなっている部分がある。現在の相振り飛車は美濃囲いが多くなり、細かな選択(端歩を受けるか?など)も増えている。
そのような新しい戦型選択・駒組みの概要を得るには将棋・序盤完全ガイド 相振り飛車編がおすすめ。将棋・序盤完全ガイドシリーズは、このほかにも相居飛車編・振り飛車編があり、こちらもオススメです。特に概要から入りたい大人に良いと思う。

級位者向け手筋

藤井本は手筋も満載で読めば読むだけ強くなるのですが、手っ取り早く手筋だけ勉強したいときの本が必修!相振り戦の絶対手筋105

なお、相振りでは歩を手持ちにして端を攻めることも多くなるので、何か1冊は端攻めの本を買って勉強すべきです。端攻めのテクニックは対抗系でも役に立つ必修科目です。

戦型別

相振りでは相手と自分がどの筋に飛車を振るかで、作戦が大幅に変わってきます。それぞれの細かい戦型に対応した本も出版されています。

先手向かい飛車・後手三間飛車

この戦型は前述の本でも多く解説されていますし、その他にも山のように解説本が出ています。杉本八段の相振り飛車の教科書は、「後手三間飛車が飛車先を切ってきたときに、3七歩を打って勝つ」ための本です。ほとんどのプロはここで歩を打つのを良しとしませんが、アマチュアは歩を打たないと怖いのよね。どうしても打ちたくなります。そんな人のための本。



三間飛車

三間飛車党の相振り対策の本。特に相三間飛車は落とし穴も多いので、定跡を押さえておくのは大事。




中飛車

一時期は中飛車には三間飛車に振れば優勢だったのですが、最近は中飛車左穴熊が出てきて簡単には勝てなくなりました。玉の位置が普通の相振りと違って居飛車穴熊の形なので、どうも攻めにくい。そのせいか、この戦型に限った本が何冊も出ています。藤森本はさまざまな中飛車左穴熊対策が書かれているのですが、これだけでは勝ちにくい。この本をヒントに研究を練る人向けですね。

杉本七段の対振り革命は中飛車を指す人向けの本。

相中飛車本も出るようです。アマチュアではたまに見かける戦型ですが、まさか本になるとは。




四間飛車

昔は相振りの世界では「相振りは飛車の位置が相手玉に近い方が有利」という鈴木大介理論があって、向い飛車がもっとも良くて、次いで三間飛車、四間飛車と言われてきました。そのせいか、相振りで四間飛車を使うのは四間飛車党の初心者ばかりだったのですが、最近はそうでもありません。敢えて四間に振るパターンも増えています。角交換四間飛車を得意とする門倉五段の本にも相振り四間飛車が出てきます。角交換四間飛車を指すと相振り四間は避けられないのよね。振り直すと手損だし。

結局何を買えば良いの?

中飛車党以外なら、藤井本の1・2巻、序盤ガイドをどれか1冊、あとは手筋本でしょうか。中飛車党は……中飛車党に聞いてください。こちらは対策しないといけない側なので聞かれても困る……


書籍

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