将棋倶楽部24のレーティング計算式が変更されたけど、初級者はやっぱり救われないのでは?

レーティングデフレを招く要因の1つであった、将棋倶楽部24のレーティング計算式が変更されました。しかしながら、やっぱり低級タブ(11級タブ)の人はあまり救われないような気がします。

登録直後はRが不確実なため、登録直後から24局目までRが大きく増減する初期式を使用する。

初期式 新R=旧R+((相手R-旧R)±400)/(N+1)







将棋倶楽部24の「レーティング」の説明には、初期登録時にR2400,R1600,R800,R100で入会した人が同一レートの方と対局し、連戦連勝した場合のレート推移がかかれています。

これを見ると、過少入会者のレーティングは速やかに修正され、適正レートに落ち着くまでに追加されるレートがデフレを補うようにも見えます。しかしながら、このグラフにはR0入会者の線が書かれていません。なぜでしょうか?

またR100入会時のレーティング上昇がかなり緩やかに見えます。

R0入会者のレートはほとんど補正されない

レーティング」に書かれている式を元にこちらでグラフを作ってみました。新旧のレーティング式が比較できるように両方入れてあります。


一目瞭然ですが R0 で過少入会してくる人については、補正の意味がほとんどありません。これは新式には「R200以下なら通常式で計算」という制限事項があるからです。

そのため同一レートに連勝しても +16ずつしかレートは増えず、R200を超えて制限が外れる頃には、分母となる対局数が多くなるため補正量が極めて少なくなるためです。

なぜデフレになるのか?

前にも「将棋倶楽部24の「ハム将棋アンケート結果」から考察する」で書いたが、将棋倶楽部24の低級タブはかなりデフレしている。

将棋倶楽部24に限らず、大抵のレーティングシステムは対局後にやりとりされる点数はゼロサム(合計0)になっている。例えば、R500の棋力の方が100名居れば、レートは合計で50000点になる。この間でいくら対局が行われても合計は50000のままだ。

ところが、このR500の集団のなかで誰かが棋力R1000まで研鑽を積んだとしよう。本人のレートは500増える。しかし集団全体でのレートは50000のままなので、他の人のレートが約5点ずつ下がることになる。他の人は棋力が下がったわけではないのにレートが下がる。

これが顕著に現れるのは、以下の場合である。

  1. 集団のサイズが小さい
  2. 棋力の向上が著しい人が存在する(覚えたての小学生など)
  3. 過少入会者が連勝する

特に2は初心者が含まれる低級タブでは当然のことだし、3もR0入会する過少登録者が少なからず存在することは広く知られていると思う。 R0入会→R1000程度まで上昇→放置して再入会、なんて人がいると余計にデフレは進む(サブアカウントが嫌がられる理由の一つだと思う)。

ソフト指しなどにより、R0入会→R2000ぐらいまで上昇→アカウント取り消し、になる人がいると全体のレートは2000点減ってしまうわけだ。

レーティングシステムは、単純運用すると必ずデフレするのだ。

デフレの補正が必須

従って、レーティングシステムを長期間運用する場合は、なんらかの方法でデフレ分を補正しないといけない。将棋倶楽部24では、以下の方策が採用されている。

R200以下

負けた場合通常の半分減るだけ

レーティング

R200以下の人同士が対戦すると、一局ごとに平均8点だけ全体のレートが増える計算になる。しかしながら、それでもデフレが進行しているのは、みなさんご承知の通り。たぶんR200以下の対局数が全体数に比べて少なすぎるために、増加するレートではデフレ分を補えないのだろう。

緩和はされるが改善はしない

今回の変更については、過少入会に伴うR現象を食い止めるために必要な措置であり、ある程度はデフレの進行は緩和されると思う。それでも過少入会した人が適正レートになる速度が速くなるだけで、外部から点数が持ち込まれるわけではないので、デフレ要因は依然として存在する。

ただし上のグラフを見ても分かるとおり、恩恵を受けるのはR200以上で入会する人が多数存在する場合に限られる。元々R0入会者が多い低級タブにはほとんど恩恵がないのではなかろうか。

私の予測では、有段タブや高段タブではデフレが改善される結果、レートは上がりやすくなり(最高レートも更新されるだろう)、しかしながら低級タブはやっぱりデフレが進行するままになると思っている。

これが杞憂であれば嬉しいのですが。

参考リンク