[書評] Sports Graphic Number 1018号 藤井聡太と将棋の冒険

2021/01/13書籍

スポーツ雑誌Numberが9月発行の1010号に引き続き、1018号でも将棋特集。1月7日発売ですので、そろそろ沖縄の書店店頭にも置いていそうですが、外出は避けてKindleで購入。前回同様、読み応えのある記事ばかりです。今回も価格は640円税込(Kindleだと580円)。



目次

詳細は文芸春秋社のサイト(藤井聡太と将棋の冒険 – Number1018号)にあるので、そちらを参照ください。ここは将棋関係の記事だけこちらに引用します。

第39回 Number MVP文◎大川慎太郎 藤井聡太「18歳の大志」
プロフェッサー解説文◎勝又清和 藤井の一手は羽生に通ず
勝者たちの回想文◎塩田武士 地獄で見た光藤井聡太、三段リーグ敗戦譜
スペシャルインタビュー文◎北野新太 羽生善治「さらなるフロンティアを目指して」
特別エッセイ文◎先崎学 走りつづける君へ
老師の筆で辿る文◎後藤元気 常勝の山の先に大山康晴と羽生善治、8度の邂逅
竜王戦ドキュメント文◎大川慎太郎 豊島将之「防衛より前進を」
求道者の素顔文◎高川武将 永瀬拓矢「生命としての将棋」
東大白熱対談文◎雨宮圭吾 渡辺明×池谷裕二(脳研究者)「脳とAI、昼寝とラムネ」
貴公子の原点文◎諏訪景子 斎藤慎太郎「盤上に愛をこめて」
鉄板流の現在地文◎片山良三 森内俊之「私の最盛期はこれからです」
23歳の再生文◎北野新太 増田康宏「終わらなかった男」
名工・富月を訪ねて文◎小島渉 駒師という人生
女流開拓者文◎伊藤靖子 中井広恵「ただ自分が勝つためじゃなく」
タイトル戦の裏方文◎内田晶 名局は名宿で生まれる
3.11の対局から10年文◎北野新太 屋敷伸之-松尾歩「途上の一夜」
新連載 文◎大川慎太郎 令和名棋士案内 第1回木村一基「受け師の奥歯は、もう痛まない」



令和名棋士案内は新連載。編集後記によると来号から毎回掲載されるそうです。


今回も読み応えがある記事ばかりですが、興味深い記事をいくつか紹介します。



永瀬拓矢「生命としての将棋」

永瀬王座が小学校時代に将棋に巡り合ってからプロになるまでの話。実に良い。私の学生時代を思い出しました。私がコンピュータに触れたのは高校生に入ってからなのですが、もっと前に巡り会えていたら見ている世界も変わったのかなと思ったり (小学生のころにはまだパソコンは無かったのですが)。


森内俊之「私の最盛期はこれからです」

コンピュータ将棋ソフトが人間を超えてから久しくなります。将棋の勉強方法もずいぶん変わりました。森内九段も2020年1月からソフトを取り入れ、「この1年で、実力的には200点以上上がっていると思います」とのこと。あれだけ強い人がさらに200点も上がるとは…… どんな勉強方法なのかが気になります(が、そこまでは書かれていません)。


中井広恵「ただ自分が勝つためじゃなく」

「初めて男性棋士に勝利した女流棋士」である中井女流六段の記事。将棋では西山朋佳女流三冠が棋聖戦二次予選突破まであと一歩のところまで来ていますが、囲碁では上野愛咲美女流棋聖が一般棋戦で男性トップ棋士に連勝準優勝するに至ってます。女流に関する記事を読むと、つくづく将棋界の女性に対する扱いはなぜ囲碁のようにできなかったのだろうと思う。


在庫状況

記事を書いている時点ではジュンク堂那覇店は在庫○になっています(Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2021年 1/21号 [雑誌] – 店舗お取扱い状況)。前回1010号も在庫△取り置き可となっているので、買い忘れた方はこちらもどうぞ。

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