入門者への指導方法の定番が欲しい

読み物

ライブドアニュースの王将リーグ特集記事『才能と努力』に糸谷哲郎八段のインタビュー記事が掲載されています。その中の指導に関する話はまったく同感。以下、引用します。

棋士会の枠は超えてしまいますが、将棋の指導方法の改善は必要だと思っています。「棋士全体における普及知の共有」を目指していきたいです。将棋の世界は、とくに普及や指導のやり方に関しては、ほとんど指導のマニュアルがないんです。

指導対局のやり方というのも師匠から軽く教わるくらいで、どちらかというと「勝手に学べ」という感じです。そこは「個人主義じゃなくても良いんじゃないですか」と思うんですよね。マニュアルにして言語化していったほうが引き継ぎも簡単です。駒落ちの定跡パンフレットとかもあれば指導がやりやすいですよね。マニュアルの共有化によって、棋士個人でもイベントなども簡単に開けるようになるんじゃないでしょうか。

もちろん棋士個人の創意工夫、独自性を否定するわけではないです。マニュアルの共有で全員の指導レベルを下から底上げするイメージです。ただ独自性って基礎的な知識や方針の上に詰み上がるものだと思うんです。共通する基礎的な知識や方針がなくていきなり独自性を求めると、たいていとんでもないことになってしまいますから。


教え方の定番が欲しい

糸谷八段のおっしゃる通り、教え方の定番は欲しいところです。将棋は初心者の友達同士でも遊べてしまうぐらい入門が簡単なのですが、それが災いしてか教える技法の共通化は遅れているように思います。
(これは日本の大概の組織も同様なので将棋だけの問題ではないのですが)

ブログで教え方を書かれている人もいるので、今後に期待かな。


定番棋書が欲しい

将棋語が通じるようになるレベル(県内大会だと7〜9級ぐらい)になるまでの定番本が欲しいと、常々思っています。将棋は最新情報に振り回されすぎていて、体系化された基礎的な部分の本が足りないように思います。

定番と言える入門書も少なく、良い本があってもすぐに絶版になってしまうのも困り物。誤った記述が存在する本も堂々と出回っているのは嘆かわしいです。これも改訂を経た定番が存在しないが故の問題でしょう。


指導に使えるテキスト・問題集も欲しい

指導する上で詰将棋などのちょっとした問題を出したくなるのですが、著作権の問題もあってなかなか難しい。公文式のような指導用問題集が欲しい。株式会社いつつの「はじめての将棋手引帖」は良く出来ているのですが、問題数が少ないんだよね。これの5〜10倍程度の問題数が必要だと思います。

読み物

Posted by